「自分は玄獣珠に願いを掛けていない、十七年の人生を懸けて誓えるって、前にそう言ってましたよね。その理由は、あせってる理由と同じですか?」
海牙さんはうなずいた。
「玄獣珠は、未処理の情報のかたまりです。ぼくが知る物理学では絶対に処理できない。それを預かるストレスだけでも重いんです。
願いを掛けるなんて、想像したくもない。意味がわからなくて、吐き気がします」
実際に海牙さんは吐いていた。
時間の巻き戻しっていう、超常的な現象の直後に。
悪役を演じることへのストレスと、処理不能な情報へのストレス。
二重に苦しい状態だったんだ。



