わたしはたぶん、今、かなり赤面している。 そんなわたしの様子をうかがいながら、海牙さんは楽しそうに笑っている。 毒気を抜かれた。 海牙さんって、笑うんだ。 すごく普通に、自然に。 最初は不気味な人だと思った。 人間らしさがなかった。 でも、それは仮面だったんだ。 悪役みたいな振る舞いは、本来の海牙さんではなかった。 長江先輩が手近な椅子に座った。 「やっと海ちゃんがもとに戻った~。食べ物の力って偉大だね」 「どうもお騒がせしました」 海牙さんは、ウェーブした髪を掻き上げた。