長江先輩が困り顔で笑った。
「二人を連れて来てって言われてんだよね。何でおれがその役目か、わかる? おれ、強制的にきみらを連れてくこともできるの」
「でも、先輩のチカラは、わたしたちには効かないんじゃないですか?」
「号令《コマンド》はね、駅前にいるほぼ全員に効くんだよ。人海戦術で、きみらを拘束できるの。
でもさ~、そういうこと、やりたくないんだわ。無関係の人を巻き込むって、いくら何でも心が痛むんだよね~」
長江先輩が両腕を広げた。
武器を持っていない、と示している。
煥先輩がチラッとわたしを振り返った。
わたしはうなずいた。
「嫦娥公園に行きます」
長江先輩はホッとしたように腕を下ろした。
「んじゃ、行こっか」



