わたしの家は山手のほうへ上ったところだ。
牛富先輩と雄先輩とは、ここで解散することにした。
煥先輩が無言でわたしのカバンを持った。
小夜子のカバンは持ってあげてなかった。
つい比べて、小さな優越感を覚えてしまう自分が悲しい。
玉宮駅前の十九時過ぎの人通りは、わりと多い。
中学生、高校生、サラリーマン、塾や習い事の小学生、小さな子ども連れのキャリアウーマン。
視線の痛みに、不意に気付いた。
煥先輩に向けられる視線はすべて、ひどく尖っている。
少し長めの銀色の髪は目立つ。
両耳のリングのピアスとも相まって、不良少年だと、一瞬で判別される。



