海牙さんはニッコリして、わたしたちを見回した。
「誰が違反者なのか、候補を潰していきましょう。正解なら、そこで役割が達成されます。正解でなくても、幸い、時間が巻き戻るんです。誰も死にません」
理屈は通っている。
でも。だけど。
長江先輩が笑みを引きつらせた。
「ちょっと、あの、海ちゃん? 何でおれのほう向いたのかな?」
「ぼくがやるから、痛くありませんよ。心臓の位置も筋肉の構造も、全部スキャンできてます」
「待て待て待て、怖いって!」
「リヒちゃんは願いを掛けてないでしょう?」
「断じて、掛けてない!」
「じゃあ、死にませんよ」
「いやあのその笑顔やめようよ!」
「やめましょうか」



