PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―



イヤな予感がした。



「け、検証って何をするんですか?」



海牙さんはわたしに答えずに目を閉じて、つぶやいた。



「玄獣珠、朱獣珠、応えてください」



柄頭の珠が輝いた。


海牙さんの左右の手にある柄から、黒い刃と朱い刃がキラリと生えた。


海牙さんはまぶたを開いて、両手の短剣を神妙な目で見下ろした。



「情報解析不能。人間が理論構築し得る物理学を完全に超越しているから、ぼくの目には、自分が今どんな代物を手にしているのか、少しも理解することができない。

四獣珠のチカラは、やはり人間が扱っていいものではないんですよ」


「あの、海牙さん?」