PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―



言い募りながら、もしかして、と頭にひらめいた。


どうしようもない衝動に共鳴して、わたしが亜美先輩を刺したのは、勘違いじゃなくて必然だった?


禁忌の願いを掛けた預かり手というのは、もしかして。



海牙さんが音もなく動いた。


左手に黒いツルギの柄がある。



「預かり手が役割を果たせば、四獣珠はもとに戻るそうです。論理的に考えて、役割達成後には時間の巻き戻しも起こらなくなるでしょう。

では、誰が、排除されるべき違反者なのか。一つずつ、可能性を検証していくしかありませんね」



海牙さんが長江先輩のブレザーに触れた。


次の瞬間、海牙さんの右手に、朱いツルギの柄がある。


凄まじい早業で、すり取ったんだ。