PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―



長江先輩がうなずく気配があった。



「混乱したよね~。いきなり時間が巻き戻るんだもん。スマホやらメールその他やらで時刻確認して、海ちゃんと平井のおっちゃんにも確認して。

んで? 能力者だけが巻き戻しを実感してんだよね? 巻き戻るきっかけはツルギで刺すこと? いやぁ、意味不明」



煥先輩が舌打ちする。



「巻き戻しの理由、あんたらにもわかんねぇのか」


「わかりませんね。わかっているのは役割ですよ。ツルギと、ツルギの預かり手の役割。それは『秘録』に書かれていましたから」



役割という言葉は、青獣珠にも告げられた。



――役割を果たせ、預かり手よ――