PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―



煥先輩が答えた。



「人を刺したり斬ったりするため。要は、殺すためだ」


「あっきー、正解! ってことで、四獣珠がツルギの形になったのは、殺すためなんだよね」



物騒なことを、長江先輩はサラリと言った。


煥先輩がわたしをひたと見つめる。



「人を刺すことで、時間が巻き戻る。鈴蘭は二回、人を刺して巻き戻しを起こした」



長江先輩と海牙さんがわたしを見た。朱い瞳と緑の瞳。


そして、煥先輩の金色の瞳。


わたしは顔を伏せた。


居たたまれない。



海牙さんの声が耳に届いた。



「なるほどね。巻き戻しのきっかけはそれですか。新情報をありがとう。『秘録』には書かれていなかった事象です」