長江先輩は得意げに胸を張った。
「前も言ったとおり、おれ、言語系全般が得意分野なの。古文でも漢文でも外国語でも、テレパシー的な何かが頭に入ってくる感じでさ、
読むと聞くは苦労しないの。しゃべるのも、なんかいけちゃう。書くのだけは別物だけどさ~」
煥先輩が疲れたような息を吐いた。
「こんなもん、オレに読めるかよ。要点だけ話せ」
「わたしもちょっと、読める自信がありません。四獣珠がツルギの形になっている理由、教えてもらえませんか?」
長江先輩が本を閉じた。
「ツルギってのは何のためにあるでしょ~?」
「何のためって」
「リンゴ剥《む》くため?」



