中学校時代、屋上は鍵が閉められていた。
それが普通だと思っていたけれど、襄陽学園は開放されているのかな。
結論としては、屋上はやっぱり鍵を掛ける仕様で、屋上に続くドアのそばに鎖と南京錠が転がされていた。
長江先輩はわざわざ、南京錠の鍵と屋上の鍵を両方とも開けたらしい。
わたしはドアを開けた。
ぶわっと春の空気が吹き付けてくる。
正面に見える青空がまぶしい。
「おお~、鈴蘭ちゃんも来たね」
軽いノリのせりふがわたしを迎えた。
レジャーシートを広げた上に、長江先輩が座っている。
わたしは呆気にとられた。
「先輩、何やってるんですか?」



