PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―



昼休み、小夜子からのランチの誘いを断った。


長江先輩に、屋上に来るように言われていたから。



お弁当を教室に置いて、青獣珠のツルギのポーチにケータイや財布を入れて、古風ゆかしいパタパタケータイを小夜子に珍しがられてから、わたしはポーチを持って屋上に向かった。



襄陽学園には幾棟もの校舎が連なっているけれど、屋上があるのは本館だけだ。


ほかの棟の屋上には太陽光パネルが載っていたり天体観測所が設置されていたり、屋上そのものがなくて景観重視のレトロヨーロッパな屋根だったりする。



本館の北階段はひとけがなくて、昼休みのにぎわいがひどく遠かった。