煥先輩は今、わたしのボディガードで、送り迎えの責任を持ってくれている。
強くてイケメンのボディガードを誰にも取られたくないと、わたしはどうやら思っているようだ。
そっと、ため息をつく。
近ごろのわたし、最低だ。
小夜子のまわりにクラスメイトが集まり出した。
転校生みたいな状況だ。
小夜子は笑顔で、クラスに溶け込んでいく。
ふと、小夜子のカバンや筆箱に、わたしとの共通項を発見した。
「小夜子って、月のモチーフが好きなの?」
「好きというか、縁が切れないというか。あれ? 鈴蘭も三日月つけてる」
わたしは三日月、小夜子は満月。
見せ合って、笑い合った。
仲良くなれそう。



