PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―



ライヴの後、回避しようもなく、亜美先輩と一緒にコンビニへ行くことになった。


煥先輩の視線が刺さってくる。



文徳先輩と煥先輩の家庭事情を聞いた。


一緒に料理をしようと誘われた。


わたしの震える声が、亜美先輩に尋ねた。



「瑪都流のバンドの皆さんは、付き合ってる人、いるんですよね?」


「煥以外はね。牛富も雄も中学時代からの彼女がいて、あたしと文徳の仲も親公認だし」



亜美先輩の照れた笑顔。


一度目とは会話の流れが違うけれど、事実は一つも揺るがない。



「うらやましいです……」



文徳先輩の彼女だなんて、うらやましい。