繊細さと純粋さが痛々しく込められた歌詞こそが煥先輩の本当の心なら、わたしはこんなに澄んだ人を無残に傷付け続けているんだ。
許してくださいなんて、虫のいいことばかりを思ってしまう。
苦しくて仕方ない。
ライヴは進んでいく。
文徳先輩のMC。一度聞いた話。
わたしは亜美先輩の表情をうかがった。
しゃべる文徳先輩を見つめては、しょうがないなって肩をすくめる。
またバカなこと言ってるよって顔をしかめる。
一つひとつの表情に、仕草に、文徳先輩への信頼と愛情があふれている。
気付いたら、両目から涙が転げ落ちていた。



