わたしは制服を見る。
肩章があって、堅いデザインのブレザー。赤いリボンも地味めの形。
ちょっと軍服っぽいから、一部の女子からはかわいくないと不評だ。
でも、わたしはこの制服が好き。
だって、わたしにとって自己主張の証だから。
襄陽《じょうよう》学園高校は、自由な校風と専門性の高い各コースが有名な私立学校だ。
わたしはこの四月から進学科の一年生になった。
ほかでもない襄陽学園に入学したのは、わたしの自立の第一歩だった。
志望校を決めるとき、わたしは初めて母に反発した。
母の出身校の女子高は名門で、そこに行きなさいと言われた。
だけど遠いし、厳格な校風だ。
わたしはイヤだった。
襄陽学園は創立十年に満たない学校で、まだ歴史にも実績にも乏しい。
けれど、だからこそわたしはとても惹かれた。
学校の歴史と実績を創っていく手助けをしたいと思った。



