「そうだね。でも、接触はご法度。あたしたち、暴走族なんて呼ばれてるから、特定の誰かと親しくなりすぎると、その相手が危険なんだよね。 鈴蘭は身をもってそれを体験したんだっけ。牛富も雄もかわいそうだよ。彼女は近くに住んでるのに、遠距離状態」 そう言いながら、亜美先輩はリュックサックを下ろした。 棒状の何かを取り出す。 「それ、何ですか?」 「伸縮式の警棒」 亜美先輩の笑顔の奥に緊張感が見えた。