PRINCESS SWORD―姫のツルギは恋を貫く―



わたしの口が勝手に動く。


直接確かめるのが怖くて、卑怯な動き方をする。



「あのっ、煥先輩は彼女いないんですか? わ、わたしのクラスの子が煥先輩のファンなんです。クールでカッコいいって」



亜美先輩が快活に笑う。



「いないよ。あいつに彼女ができると思う? 基本的に人を寄せ付けないし。女の子が相手だと、特にそう。あいつはたぶん、恋愛って感情をまだ知らないよ」



その言い方は、亜美先輩は恋愛感情を知っている。


相手は誰?



「バンドとしての瑪都流って、女の子のファンも多いですよね?」