「しかし、お嬢さま。物騒というお言葉、聞き捨てなりません。私どもがお送りしたほうがよろしいのでは?」


「それはダメ!」



思わず声が高くなってしまった。


シュンとする門衛さんたちは父と同じくらいの年齢で、昔からわたしをかわいがってくれている。


わたしも彼らを好きなんだけれど、過保護なのは困る。


プロのボディガード付きで登下校だなんて、さすがにあんまりでしょ?


どう説明しようかと思っていたら、煥先輩が口を開いた。



「青龍の護衛を引き受けることになった。オレは白虎だ。白虎の伊呂波《いろは》だ」



門衛さんたちが背筋を伸ばした。



「さようでしたか。鈴蘭お嬢さまを、よろしくお願いします」