「席着けー転校生紹介するぞー」

担任の声は夏樹には聞こえていなかった

この高校には中学以前の友達は海斗以外は誰もいない

あの子の事を知っているのは俺と海斗だけだ

俺がまだ、あの子の事を忘れられないのを知っているのも…


そう、あの子は…


あの子の名前は……

「えー、名前は…」


「『美戸 真冬』です」