「お前、何が出来る。」
急に匠がそう訪ねてきた。
「大抵の事は何でも出来ます。
でも料理だけはできません。」
杏は料理がとても苦手で
よく鍋などを焦がしていた。
「家事は料理以外なら何でもできるんだな?」
料理以外は家でもやっていたので
「はい。」と答えた。
「それじゃあ住み込みで
ハウスキーパーやってくれ。
いわゆる家政婦ってやつだな。」
突然そう言った匠に杏はおどろきを隠せなかった。
「何驚いてんだよ。言っただろ手伝えって。」
杏は公園であった時にそう言われたことを思い出した。
「わ、わかりました。
洗濯と掃除の他に何かすることありますか?」
杏は家に帰れない手前、
ここを追い出されたら行く宛もなく
助けてくれた恩を返そうと思い引き受けた。
「買い物、あと仕事も手伝え。
お前にも出来る仕事もあるだろ。」
そう言って匠は部屋の隅に置いてあった
カラーボックスの中を探り始めた。
カラーボックスの中には、
紙や本などが入っており
匠はその中から何枚かの紙を杏に渡した。
