「でも……練習後って疲れてるでしょ?あたしと電話するより、体を休めた方がいいんじゃないの?」
「確かに疲れててすげぇ眠い時もあるけど、それでも俺は梨子としゃべりたいんだって。疲れてても梨子と話すと疲れも吹っ飛ぶし。でも、テスト期間とか色々理由つけられて俺の楽しみを奪っただろ?」
「それは、湊太が疲れてるだろうと思って気を遣って……。休みの日には疲れてるのにデートに誘ってくれたでしょ?でも、湊太……無理してた。だから、あたし……――」
「無理してないよ。俺がそうしたいと思ったからそうしただけ。電話も話したいときにしてたし、デートも会いたいときに誘ってた。ただそれだけ」
「でも、あたしがシュウと付き合っていた時の話をしたから、湊太はあたしを傷付けないようにって……心配かけないようにって色々考えてくれてたんでしょ?」
「まぁ、確かにそれはあるかもな……。でも、俺は梨子が好きだから。好きな相手のことを傷付けないように、心配かけないようにって思うのは当たり前のことだろ?」
「湊太……」
「梨子の気持ちは分かったよ。俺がサッカーに集中できるように考えてくれてたんだよな?」
「うん……。あたしを優先して、サッカーがおろそかになったらって……」
「大丈夫だって。俺、どっちも全力でやるし。俺にとっては梨子もサッカーも大事だから」
湊太はポンッとあたしの頭を叩いた。
「梨子が俺の幸せを願ってくれてるように、俺も梨子の幸せを願ってるよ。だから、これからも俺の隣にいてよ?つーか、いてくれないとマジ困る」
前髪をクシャクシャといじる湊太。
「当たり前だよ……!あたしもずっと湊太に隣にいて欲しいもん」
あたしがそう言うと、湊太は今までにないぐらいの眩しいほどの笑顔を浮かべた。



