その場に残されたあたしと湊太。
目が合うと、湊太がムスッとしたように眉間に皺を寄せた。
「何だよ。来るなら来るって言ってくれればよかったのに」
「……だ、だって学校でも話せる雰囲気じゃなかったし、湊太だってあの日から連絡くれなかったでしょ?」
湊太からの連絡がなかった数日間、寂しくて仕方がなかった。
何度も連絡が来ていないかスマホを確認してしまった。
でも、自分から連絡をすることもできなかった。
「まぁね。でも、あれで分かっただろ?俺の気持ち」
「え?」
「俺のひそかな楽しみを奪った罰だから」
「ひそかな楽しみってなに?」
「すげぇ辛い練習がようやく終わって家に着くまでの間、梨子の声が聞けるあの時間が俺の楽しみだったんだって」
湊太の言葉に心臓がトクンっと震えた。



