「もうすぐ試合だ。試合の間はお互いチームメイトとして足のひっぱいあいをするのだけはやめようぜ?」
「お前……よくこの状況で笑っていられるな……」
湊太につられてシュウも笑う。
「俺、お前のサッカーセンスは尊敬してるからさ」
「ふんっ……バカバカしい……。俺もう行くわ」
褒められたことが照れくさかったのかシュウは顔をしかめてスポーツバッグを肩に掛け直した。
そして、あたしに視線を向けた。
「……今までしつこくしてごめん。でも、梨子の気持ちも分かったしもう諦める。湊太に……幸せにしてもらえよ?」
背中を向けて歩き出したシュウ。
あたしの気持ち……ちゃんとシュウに伝わったんだ……。
「……シュウ、ありがとう!!あたし、絶対に幸せになるからね!!」
シュウは振り向くことなく手を上げ、小さく左右に振った。



