それからすぐに、スポーツバッグを肩に掛けたサッカー部の部員がぞろぞろとコートの方へ歩いてきた。 その一番後ろに湊太の姿があった。 「ほらっ、梨子。早く行ってきな!!」 「……――うん!!」 手作りのミサンガをギュッと手のひらに握りしめて駆け出す。 湊太との距離が徐々に近付く。 早く。 早く言いたい。 伝えたい。 この気持ちを湊太に。 ごめんね、ありがとう、大好きだよ。 今のあたしの気持ちを全部、湊太に……。