「梨子」 押し殺すようにあたしの名前を呼ぶ湊太の声。 指先が小刻みに震えた。 どうしよう。絶対に誤解された……。 湊太には風邪をひいて具合が悪いって嘘を吐いて、隠れてシュウと会ってたって思ったはず。 あたしが逆の立場だったら、絶対にそう思ってしまう。 「湊太……ごめんね……――実は……」 そう切り出した時、ミサンガの本を地面に落としてしまった。 「あっ……」 白く薄い包装紙に入れられた本の、ミサンガの作り方という文字が透けている。 焦って拾い上げようとした時、湊太が本に手を伸ばした。