キミが幸せに。


「あたし、聞いちゃったの。シュウ達が教室であたしのこと賭けてるの。どっちが先にキスしたかとか……全部聞いてたの!!」


「嘘だろ……?梨子が俺に別れようって言ったのって、それが原因なのか?」


目を左右に動かして明らかにうろたえているシュウ。


「そうだよ……。ねぇ、シュウ。あの時あたしがどんな気持ちだったか分かる?裏でシュウが友達とそんな賭けをしてたって知ってたらあたしはシュウと付き合わなかったよ?」


「違う!確かにどのカップルが一番最初にキスできるかっていうのを賭けてたのは本当だよ。でも、梨子が好きだったって言うのは嘘じゃない」


「そんなの信じられるわけないでしょ……?」


「あの時は、まだ俺もガキだったから。それに、賭けに参加しなかったらノリの悪い奴だって思われるだろ?」


「じゃあ、賭けの対象にされたあたしとか他の女の子はどうだっていいってことなの?」


「どうだっていいとは言ってないし」


シュウは開き直ったように言う。