「梨子。俺と付き合って」


「……え?」


唐突な湊太(そうた)の言葉に思わず顔を持ち上げる。


「だから、俺と付き合ってって言ってんの。ダメ?」


「ダメとかそういうんじゃなくて……その言い方超軽いし……。またいつもみたいにふざけてるんでしょ?その手には乗らないからね!」


誰もいない教室内にあたしの声が響く。


日誌をパタンッと閉じて机の上のシャープペンをペンケースにしまう。


心の中の声を隠すために、平常心を装うあたしに湊太が真剣な声で言う。