「会長〜!
窓を割ってしまって…」

「会長!
ポイ捨てが酷くて!どうにかしてください!」

「うちの生徒がナンパしてます!!会長!」

「〜〜、会長!」

「会長!!」

「会長〜ぉ!!!」


……グゥ。
毎日色んな情報が飛び交う生徒会室。
忙しくて、小さなことに目を向けられない。

羽劉院琴葉(高校2年)

華應女子高校の生徒会長を務めている。
周りの学校と違い特別生徒会長は選挙として決められる。失礼な言い方をすると無理矢理生徒会長にならなくてはならない。
もしも、同じ人が選ばれたとしても同じく1年間務めてもらう決まりとなっていた。


まさか、私が生徒会長に選ばれるとは予想外だった。しかし、喜んでもいた。生徒会長になることで進路への道が有利になる。


それが、なによりの私の報酬だった。
だから、1ミリも抵抗せずにすんなりと決まったのだ。

だから、生徒会長としてみっともないから小さなことや大きなことをことごとく解決していく。それが憧れる生徒会長なのだ。

そんな綺麗事を言えるのは生徒会長を務めてやや二ヶ月くらいで。

1年と月日を越えるともう綺麗事は言えない。



家へ帰っても、勉強して学校で出来なかった残り(生徒会長の仕事)をやる。