学校に着いても、もう先生も2人乗りの事は何も言わない。
普通に『おはよう!』と挨拶して。
彼の影響力はすごいんだな。とあらためて感じる。
相変わらず、女子の悲鳴と男子のヒューヒューという口笛と。
昨日は耳障りだと感じたのに・・今日は気にならない。
2人乗りで駐輪場に入っていくのも今日が最後・・・。
『く、苦しいっ』
『えっ?あ、ごめん・・・』
彼の腰に回した腕に無意識に力が入ったみたいで・・・手を離そうとしたら、
また私の腕を掴んで自分の腰に回して
『苦しい。でも嬉しーんだけど(笑)』
『・・・・///』
『・・・///、言った俺が照れてどーする・・・アホすぎっ。・・はいっ、気をつけて降りてっ』
『・・・・・ありがと///』
スピードを緩めた自転車を静かに止めて、私が降りたことを確認してから鍵をかける。
『はいっ、鍵』
差し出された、彼の右の手のひらに乗っている鍵を受け取る
『・・・・///』
『・・・・え?』
手が触れた・・
さっきまで腰に回してた腕の方が彼に触れる密度は濃いはずなのに
『・・・・ごめっ///』
《チャリーン》
一度受け取った鍵が落ちる。
『・・・///。はいっ、もう落とすなよ』
彼は鍵を拾って、私の手のひらにのせて自分の手で覆うように私にそれを握らせた。
そして昨日と同じように、私のカバンを持って校舎に向かう。
私は少し後ろをついて歩く。

