『俺、お前の事知りたい。女と話したいと思ったの、お前だけ。それだけじゃ理由になんねー?』
『・・・だから・・・どうして?』
『・・・はぁ~っ』
大きなため息を一つ。
そして、私の右手を掴んでどこかへ連れて行こうとする。
『ちょ、ちょっと、待って』
『あ、ゴメンっ!お前捻挫してるんだった・・あー俺って焦りすぎだろっ、悪かったな・・・』
すぐに歩幅を小さくして、歩調もゆっくりになって。
でも掴まれた腕は力強いまま・・・
いたる所から視線が集中しているのがわかる。
こんなに堂々と女子を連れ去る男子はいない。
掴まれたまま向かった場所は・・・部、部室?しかもサッカー部?
『おい、北野。誰も入れんじゃねーぞ』
『え?って、えっ?お前何すんの・・・部室で、やばくない?』
いつも《入江クン》と一緒にいるこの男の子、北野君って言うんだ。
その北野君は目を白黒させてる。
『・・・ってめ、何考えてんだっ///ちょっと話すだけだっ!』
『お・・・そっか、焦ったぁ~』
安堵の表情になり胸をなで下ろす北野君。
『頼んだぞ』
『りょ!マドンナっ、襲われないように気をつけて・・・・うわっ!』
部室に転がっていたサッカーボールが北野君のお腹に命中・・・・
北野君は呻きながら部室から出て行った。

