授業中、先生の言葉は全く耳に入らない。
私の頭の中で
《俺を見て》
・・・そう言った《入江クン》の言葉がずっと繰り返し聞こえる。
『・・・・島田っ大丈夫か?』
あ、授業中だった。しかも物理。
山本の席を見るけど案の定いるわけもなく。
『すまん、山本をさが・・・・』
『・・・探してきます』
『おぅ、すまんな・・・・』
先生が言い終わらないうちに返事をして教室を出る。
いつもなら、1人の時間を楽しんでから部室裏に行く。
でも今日は・・・・
『彩っ、来たね。今日は早いじゃん』
山本の笑顔が私の琴線に触れた
『・・・や・・やま・・山本っ・・』
私は駆け寄って、抱きついて泣いた。
こんなに声を出して泣いたのは多分あの日以来。
朝から堪えていた涙が、我慢の限界を超えて一気に溢れ出す。
『彩・・・・たくさん、泣いていいよ。』
山本は私の肩を抱き寄せて肩をリズム良くポンポンと叩きながら、何も言わずにただ隣に座ってる。
『・・・っ・・えっ・ふぇ~ん・・うあ~っっん』
どれくらい私は泣いただろう。
涙はどこから出てくるのか。
2年前、もう枯れたと思うくらい泣いた。
でも私はまだそこから一歩も踏み出せないでいる。
山本がゆっくり話だす。
『彩。きっと入江は・・・大丈夫だよ。そろそろ前に踏み出す勇気、出す時じゃない?』
『・・・・・・』
『もっと自分に自信を持っていいんだよ?』
『・・・・・・』
『もう、誰も彩を傷つけないよ』
『・・・・・・』
『もし何かあったら・・・その時は私と美穂が駆けつけるから。』

