『・・・・は、離してっ!』
『嫌』
『・・・・困る・・・から』
『困るってことは、嫌じゃないって事?』
キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン
予鈴の音に驚いたのか《入江クン》の力が抜けた一瞬にその手を振り払う。
早くこの場所から離れたい。
《入江クン》から離れたい。
でも行く先は一緒。教室は隣・・・
《入江クン》は自転車のカゴに入った私のカバンを抱えて。
まだ少し足が気になっている私に合わせてゆっくり歩く。
並んで歩くけど2人とも無言で。
駐輪場にいる自転車通学の生徒と、教室の窓から身を乗り出して見ていた生徒の悲鳴とヒューヒューという男子の口笛・・・イヤだ・・
・・・・消えてしまいたい・・・
校舎に入ると《入江クン》は私にカバンを渡して
『帰り、送ってくから』
と、自分の教室に入っていった。

