『気をつけて降りろよ』


昨日と同じように、私が降りるまで自転車を支えてくれる。


『・・・・・ありがと。・・・・でも、本当にもういいから・・・』


自転車を止めて、鍵を外す。


その鍵を私に差し出すから手のひらを上に右手を伸ばした。


そのまま・・・・手首を掴まれた。


私より15センチ程背の高い《入江クン》は私の手首を掴んだまま、かがむように私の顔を覗き込んで・・・・




『俺が嫌』




『・・・』




視線がまっすぐ私を捉えて離さない



『・・・さっきも言ったけど、お前ともっと話したい。お前に2年前何があったかは詳しく知らねー。でも、俺《そいつら》じゃないし。俺、今のお前しか見てねーし』



『・・・・・』