放課後、北野に少し部活遅れると告げて、約束のベンチに向かう。
いつも行くサッカー部の部室方向に行かないからか、若干視線がまとわりつく。
ウザイ・・・
ベンチを見ると島田のツレはもう座って待っていた。
『こっちこっち』
《見えてるし》
心の中で突っ込んで、ツレの横に座る。
『ありがと。来てくれて』
相変わらず俺の顔を見ない。
『何』
『うん、えっと・・・彩がね、もうやめて欲しいって』
『・・・・・』
『挨拶も、送ってくれるのも・・・』
『・・・何で、それをお前が言いにくるの?』
俺は無性にムカムカしている。
えっ?というような表情を俺に一瞬見せてまた俯くツレ。
『・・・・』
イライラが頂点について達してしまいそうなところを何とか踏みとどまってる。
『何で直接本人が俺に言わねーの』
『・・・・・』
『アイツが直接俺に言ったら聞いてやる』
出しゃばりなツレにイラッとして俺はベンチを立った。
大人しく話を聞いている事が限界だった。
《グッ》っと俺のシャツの袖を掴み、引き止めようとするツレ。
『・・・あ、待って・・あ、シャツ、ゴメン。・・・・あ、あのね・・・彩、人と関わるのが怖いの』
慌ててシャツから手を離したツレ。
『・・・・?』
意味がわからなくて俺はもう一度ベンチに腰掛ける。
これだけ不機嫌な顔をしている俺を引き止めてまで言おうとしていることは、きっと俺が聞かなければならないこと。
『本当は、この話するつもり無かったんだけど・・・・彩、中学の時大切に思っていた人に裏切られて』
『・・・っ?』
『それ以降、笑えなくなった。今は・・・少しずつ笑うようになってきてるけど』

