《入江クン》に早く乗るよう促されて、後ろに座る。
『・・・・・どうして・・・?』
《入江クン》への疑問と自分への疑問。
どうして私は素直にこの人の言う事を聞いてしまうのだろう・・
自転車がゆっくりと動き始めて。
私は《入江クン》の腰に軽く腕を回す。
《入江クン》の身体が少し汗ばんでいて。
少しずつスピードが上がっていくから私の腕に少し力が入る。
その手を・・・《入江クン》は左の手で上から軽く握った。
『俺、女と話したいと思ったの、お前だけだから』
『・・・・』
『昨日お前の友達に聞いた。お前が人と関わらなくなった理由。・・・・詳しくは聞いてないけど』
『・・・・・』
『俺、お前から直接聞きたいって思った』
『・・・・・』
『俺が今言えんのは「俺は俺」ってこと』
『・・・・・』
『・・・だから俺を見て』

