『しっかりつかまれよ』
『・・・・・・』
駐輪場から校門を抜けて校外へ。
『お前ちゃんと道案内しろよ。俺わかんねーから』
島田の右腕が俺の腰を軽く掴んで、俺は意識が遠のきそうだった。
話したくて
笑顔が見たくて
そして、初めて触れてる
俺、やっぱおかしい・・・・
雑念を振り払って運転に集中。
『・・・・部活は?』
『あぁ、俺?遅刻して行く』
『・・・・・ごめん・・・』
『謝る必要ねーし。俺がそうしたいからしてるだけ』
『・・・・・・』
『遅刻って言っても、お前んち近くだろ?帰りランニングして行けばその後はすぐ合流できるし』
『・・・・次、右』
『りょっ!』
島田は人の話を聞いてるのか聞いていないのか(笑)
でも、明らかに腰に回す腕に力が入った。