『島田!悪いがまた山本、探してきてくれないか?』
『はい』
『いつも悪いな』
私は堂々と教室を出て行く。
この至福のひととき、誰にも邪魔されない。
どうせまた部室裏だろうな、じゃあまた今日もグラウンドから。
グラウンドではまたどこかのクラスがサッカーをしていて。
「ドヘタ」と言われたことを思い出した。
自分で言うのも何だけど、運動神経に自信がある私にとっては結構な屈辱だった。
『またサボり?』
『えっ・・・』
ちょうど《入江クン》に言われた事を思い出していたから驚いて声がでてしまった・・・
いつの間にこんな近くに・・距離はほんの3mほど。
《入江クン》が私を見て立っていた。
あぁ、今5組と1組の男子が体育なんだ。
『・・・サボって、ない』
『サボりじゃん』
『・・・・・・そっちこそ・・』
『俺、体育のサッカーは物足りないんでっ』
『・・・・・サボりじゃん』
『・・・・じゃあ、見てろよっ!』
そう言って男子生徒に紛れていく《入江クン》
パスをくれと大きく手を振ってアピールして・・・・
え?
・・・スゴイ・・・
確かに他の男子はサッカー部じゃない子もいるだろうけど。
パスを受けてからドリブルで軽々とデイフェンダーをかわして、《入江クン》の蹴ったボールは弧を描いてあっという間にゴールネットに吸い込まれた。

