3限目、授業が始まるとすぐに
『島田!山本探してきてくれないか』
物理の松本先生からの指示。
『・・はい』
この《探しに行く》時間は、私が一番好きな時間。
堂々と授業をサボれるから。
教室を出て、さぁどこから行こうか。
まずは・・いるはずのないグラウンドから。
校舎とグラウンドの間の小径を堂々と歩く。
休み時間のざわつきは全くなくて、ただ体育の先生の声と、グラウンドの砂とボールを蹴る足音。
今は・・・どこかのクラスがグラウンドでサッカーをしている。
そのサッカーを横目に歩いていると
『すいませ~ん』
と声が聞こえて。
声の方を向くとボールが私の足元に転がってきた。
蹴りたい・・・
そんな衝動に駆られてしまった私は一度拾い上げたボールを地面に置き・・・・
『・・・えいっ!』
と蹴った。
でもボールは弧を描いて「すみませ~ん」の声の主とは違うところに飛んでいった。
『ごめんなさい。違うとこ行っちゃった』
『いいっすよ。ありがとうございますっ。島田先輩、かわいいとこあるんっすね!』
だれ?
私を知ってる・・・・?
「おーい翼、早く戻ってこい!」
遠くからお友達の声がして
ぺこりと頭を下げて群れの中に消えていった。
先輩っていうからには1年?
誰だ?

