軽く 『じゃっ!』 と手を上げて《入江クン》はグラウンドの方へ歩いていった。 《入江クン》に見とれて、まだアップに行ってない後輩が 『彩先輩、なんで「入部希望者」って聞いたんですか?ここ、女子テニスしかないのに』 と言う。 『そんなことはいいから早くアップ行っといで』 しかし、何だろう。突き刺さるようなこの視線・・・ こういう時、このテニスコートの場所をあらためて恨む。 校舎の窓から沢山の女子生徒が私を見下ろしていた。