『手、離して』
私の手を掴んだまま、私を見ている彼。
『嫌』
と言った顔はスゴく不機嫌で。
『離して』
って、お願いするけど、
『無理』
って断られる。
彼の黒い瞳は私を見たまま。それすら離してくれない。
『・・・っ、うっ、もうっ!』
お願いしたところで離してくれないなら、力ずくで・・・
カバンを持っていたもう一方の手で彼の手を解こうとするけど出来ない。
力では、やっぱり勝てない。
『・・・・なんでこんな事するの?』
『・・なんでアイツの弟と帰ろーとすんの』
・・・鋭くなる視線。それは悲しくも見えた。
『・・それで怒ってるの?』
彼の視線が私から離れた。
『・・・・・』

