『先輩、今日は誰かと約束してますか?』



帰りの駐輪場で翼君に声をかけられる。



『ううん、約束はしてないけど』



『じゃ、一緒に帰りましょう!同じ方向だし』



『じゃあ一緒に『先約あるから無理、お前1人でかえって』



返事をしようとした瞬間、背後から私の声にかぶさって勝手に断った人・・彼だ



『え?でも先輩約束してないって『・・・コイツ忘れてんの。じゃっ』




私の手首を掴んで立花君を追い抜いていく。



『ちょ、ちょっと、何』



掴まれた手を振り払おうとするけど彼の力が強すぎてほどけない。



『・・・・どこ行くのっ』



彼はずっと無言で私を引っ張って校舎の中を歩いていく。

周りにはまだ沢山の生徒。

さすがにみんなの視線とどよめきを一斉に浴びる私たち。



『お前ら見んな!うぜー』



彼はイライラしているみたいで、周囲にキツい言葉を発してる。


で、連れてこられた場所は



『・・・・空き教室?』



彼はドアを開けて中に入る。勿論手首を掴まれている私も一緒に。