次の日の朝
『よっ!』
5組の廊下、ここ数ヶ月の定位置に座って私に挨拶をする彼。
『・・・・』
私はちらっと彼を見て。
そのまま教室に入る。
昨日の朝はいなかった。
昼休みに廊下ですれ違ったけど無視された。
午後はずっとモヤモヤしてた。
今日は「よっ!」って全くの普通。
『・・・・・意味、わかんないんだけど・・・』
『・・・・どしたの?』
隣の席に美穂がやってきた。
教室に入って席に着くなり机に突っ伏した私を心配してくれている。
『・・・なんでもないよ』
『なんでもないわけない・・・・私、秘密主義やだ。彩の悩みは私の悩みと一緒だよ?どうしたの?』
『・・・・わかんない』
『・・・何が?』
『・・・・入江クンが』
『!?どういうこと?』
キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン
ナイスタイミングで予鈴が鳴る。
美穂はしぶしぶ自席へ帰る。
私には少し考える時間が出来た。