『一緒に帰りませんか?俺もチャリ通なんで』
『・・え、あっ、ゴメンね。友達待ってるから』
『残念っ、じゃ、先帰ります。先輩気をつけて』
そう言って颯爽と自転車に乗って帰って行った弟くんの背中を呆然と見つめる。
『彩~ゴメンね、寒いのに。お待たせ~!って、さっきのは誰!』
丁度、弟くんとすれ違って駐輪場に現れた美穂は私に問いかける。目ざとい・・・
『・・・立花君の弟・・・・』
銀杏並木を並んで歩きながら駅に向かう。
極力小さな声で話す私の横で、大きな声を出す美穂。
『え~!そうなの?それ聞いてないよ!』
『だって言ってないから』
『・・・なんでよ。』
『だって顔も名前も一致してなかったし。もし美穂に言ってたら・・・1年の教室まで見に行くでしょ?』
『良くおわかりでっ!』
『・・やっぱりね・・・』
駅まではあっという間。でもこの短い時間でも心友と一緒にいる時間は嬉しい。
この頃は本当にそう思う。
山本は相変わらず単独行動だけど。
以前より一緒に過ごす時間はかなり増えた。
『じゃ、また明日ね~いつも送ってくれてありがとね』
美穂が手を「バイバイ」と振りながら駅に入っていく。
さ、私も帰ろ。テスト勉強あるしね。

