高2の9月。



いきなりキミは私の前に現れた。




朝の廊下はまだ人が少ない。

私のクラスは奥の一番端っこ。


だから一番正門から遠い。

すれ違う友達に軽く会釈しながら、自分の教室に向かう。



『はよっ』



男子の声。私には関係ないから素通り。



『はよっっ』



さっきより大きな声。

まだ遠すぎてキミの友達は気づいてないんだよ。きっと。



『はよっ島田』



『え?』



この学年に島田って私以外いた?



思わず声の主の方を見る。


キミは私の方を見てる?


それとも私の後ろに誰かいる?


後ろを振り返るけど誰もいない。


島田は私。



でも、私キミを知らない・・・・