音が鳴るたびビビりまくるあたしをアユはクスクス笑う。


そして長い腕を背中に回してぎゅっと抱きしめてきた。


そうされるとなんだかホッとする。



「……映画いいのかよ?

犯人わかったけど」



あぁ、そうだ。


映画いいところだったんだ。


でもなんかもう……



「ううん…もういい。

またもう一回家で最初から観るし。それより……

このままがいい」



そう言ってさらに抱きつく腕に力を込めた。


するとアユもぎゅっと強く抱きしめ返してくれる。



「……最初からそうしてろよな」


「えっ…?」