繋いでいた手に力を込めて、一樹との距離を縮めて、ピタッとくっついてみた。

必死に見えるかもしれないけど、出来るだけことをして、一樹と繋いでいたかった。


「え…あ、いいの?」


誘った意味を理解した一樹は、動揺で目が動く。かわいい。


「うん。狭いけど、一樹一人くらいなら十分入れるから大丈夫だよ」


「うん。じゃあ、お邪魔させてもらうよ」


そのあと、スーパーで買い物をした。今夜は私も一樹もバイトが休みだったから、時間を気にすることなくずっと一緒にいられる。

スキップしそうなくらい嬉しくて、心が弾んだ。


「ドリアでもいいかな。得意なんだけど」


「へー。ドリアか、いいね!」


実家暮らしの一樹は家で和食を食べることが多いと言っていた。だから、和食はきっとお母さんの味に勝てないと思ったから、作るなら洋食にしようと決めていた。


「うん!うまい!舞花、すごいよ」


「良かったー。口に合わなかったら、どうしようかと思っていたの」