幸せになるための方法

『何故か』なんて、わかりきっていた。


相手の女の子は知った顔だった。

奈々ちゃんだ。

以前に、この土地を訪れた際に、優に

紹介してもらった、同期の子だ。

同じ班で、仲良くしていると言ってた。

ただ、以前とは、

彼が彼女を見つめる目

彼女が彼を見つめる目


が違った。

お互いに思いあってる、そんな目。

会社の前なので、手はつないでいないし、

触れ合うこともしていないが、

すぐにでも、抱き合うような甘い雰囲気

を二人が醸し出していた。