「…迷惑じゃない?」



「迷惑じゃない、そりゃいつでも出れるわけじゃないけど。俺だって沙衣と喋りたいし」



「じゃあ電話する」



こういう素直なところが沙衣の良いところであり、好きなところ。

そのまんまなんでも話せばいいのに、都合の悪いことは隠すから大変だ。



「タケル、もう2時だよ」


「もう寝よっか」



もう目が眠そうだ。

もしかしたら待ってたのかもしれない。
帰ってくるかも分からないのに。



「おやすみ」


「ふふっ、おやすみ」



嬉しそうにベッドに入る沙衣を見て、出来るだけ帰るようにしようと改めて心に決めた。