桜下に見、往々にして炎舞

「E・S・ボマー。知ってるか」

 黒く焦げた足元に視線を落とす。

「爆弾魔か」

 やはり知っていたかとベリルを一瞥し、現場から遠ざかる。

「ここのところ設置されていた爆弾が気になってな」

「あの一派は最近になって組織された素人集団だ」

 ベリルの言葉に目を合わせる。

「そっちも調べていたか」

「お前ほど爆発物には詳しくはなくてね」

 そちら方面の見当はつきかねていた。

「奴の居所を調べてオープナーをつけてある」

「ほう」

 オープナーとは、指定された対象を監視し、その動向を依頼主に報告する者のことだ。

 情報を公開(オープン)にすることから名付けられた俗称である。

「確証はなかったがな」

 だがそれも、たったいま確信した。